この1月より、当NPOのアドバイザーでもある、順天堂大学国際教養学部道谷准教授の「キャリア探索における非言語的ツールによる自己理解促進効果の基礎的検討」の研究協力を開始しました。

これは、レゴ(R)シリアスプレイ(R)を用いて、キャリア探索期における「言語以外の手段によって自らを表現する試み」で、さらにワークショップ実施後の自己理解にどのような影響が生じるかを明らかにするとともに、その影響が日頃のキャリア探索行動と関連があるかどうかを明らかにするための探索的検討です。

その第一弾として、道谷さんが担当する2つの科目の履修者を対象に
「社会に貢献できる強み」
をテーマにワークショップを行いました。


当方のファシリテーターからのお題や問いかけに対して、ブロックという非言語ツールを用い、問に対する回答として「作品」を制作します。
ここで、本人のボキャブラリーや言語化能力に依らない「自らの表現」が行われます。

そして、その作品を他者(=同じテーブルについた仲間)に対して「説明(ストーリーを語る)」することで、言語化へのプロセスに進みますが、仮にここでしっくりする言葉が見つからなかったとしても、作品が言葉の補完をしてくれます。

当日は、

「あなたが『登ってみたい!』と思うタワーをできるだけ高くつくってみて下さい」
というお題に対して作品を作り、それを
「大学生活で成長した現在の自分」と見立てて語ったり、

「これまでに最も達成感を味わった瞬間」
から、自らの『強み』を言語化するなど行いました。

これらのプロセスを丁寧に踏み、
そして、最後の
「10年後の『社会に貢献している私』」
では、今まで自分が意識していなかったような『未来の自分』を
目の前に出現させることが出来ました。


参加者のアンケートを幾つか紹介します。

自分が持ちつ続けるべき信念を再確認することができました。
周りの人がこうだから、自分もそうなるべきではないこと、
自分自身がありのままで居てよいのだと感じることが出来ました。

手を動かすことで自然と頭も動いていたし、
なんだか活性化されたようだ。
今日で自分を改めて知れたように思う。
自分がどうしたいのか、そしてどうだったかをレゴを通じて少し理解できた。

自分の過去と未来をイメージすることで、
大切にしているもの、考えがまとまった経験はおもしろかった

単純な同じテーマでも全く似ても似つかない作品が完成したことが、説明を聞いていて興味深く、
次々と質問が浮かんだ。
作品をつくりながら言葉では表せない内からの気持ちを表現することができた。気づきが多かった。

1番大切なのはチャレンジすることそれ自体で、いくらでもその意味や価値はあとから付けられることがわかった。

今後も他大学にも対象を拡げて、その効果を実証できればと考えています。