日銀新型オペへの反応並の「いいね」に考える、ソーシャル男旅の可能性
今回、中3の息子をつれて、新興国ベトナムへ「ソーシャル・男旅」*1に行ってきた。
効果は?まだわからない。でも、その可能性についてfacebookのいいねの数から考えてみた。
*1 男旅・・・某車のCMで反町隆史演じるイクメン?の父親と息子の男二人旅
社会課題へ取り組む主体
考えていた以上の反響だった。
facebookの「いいね」の数だ。
最近私は”FYI”目的以外でのfacebookの書き込みを殆どしなくなってしまったが、今回敢えて一人称で書き込みをしてみた。
それは、一定程度の方に「その手があったか!」と思ってもらえると考えていた
からだが、これまでついたことのない「いいね」の数に、驚くと同時にこのソーシャル男旅の意味や可能性について考えることにした訳だ。
今回、私は中学3年になったばかりの息子を連れて、ベトナムの社会課題に取り組む起業家に会いに行った。
一つ目の目的は、私が少しお手伝いさせて頂いているハバタクさんのプログラム”XIP”(世代と国籍を超えた社会課題解決のプログラム。日本の若者が途上国に赴き、現地社会起業家と二人三脚で取組み、それを日本にいる社会人が支えるスキーム)のサポーターとして現地視察をする為だ。
私の周りには所謂社会課題に敏感な方が多いが、その世代は大学生か若手社会人、もしくはまだ子供のいないor小さい30代半ばが殆どで、私のように中高生の子供(娘は高2)を持つ人は非常に少ない。
彼らの多くにとって、社会課題は「私たち」の問題であり、彼ら自身が主体者となって社会課題に取り組んでいる。
私自身も微力ながら自身で取り組んでいる訳だがここ最近は、まだ「私ではない、大人の」問題と漠然と考えている小中高生に”取り組んでもらう”ことに、そのベクトルが変化してきた。
つまり、一人でも多くの小中高生の「私ではない、大人の」問題を、「(小中高生の)私たち」の問題へ手繰り寄せる為の”動機の醸成”を促進することである。
親として子どもの発達過程でどう関わるか、は大きな感心事だし、それぞれの家庭で試行錯誤しながら、子育てというかけがえの無い時間に向き合っているだろう。
しかし、中高の所謂思春期の期間は(私がそうだったが)子どもが親と距離を置くようになり、親もその変化に接し方を迷う時期だろう。
そんな中で子供たちは進学先を絞込み、徐々に進路を模索していく。
つまり、子どもが社会に向き合う準備をしはじめた頃に、最も身近な社会人である親との距離が一時的に遠くなってしまう。
親もそれを良しとしているわけではないが、余程魅力的なコンテンツを提示しないと彼らは親の「助言」や「想い」には耳をかさない時期だ。
だから、今回は海外に連れ出すと言う非日常体験を用意した。
勿論、今の彼に途上国の社会起業家に会う動機はない。「熱帯の珍しい昆虫が見られるかも知れない」と、虫好きの彼に囁いたら、うまくその気になってくれた。
国境と世代を超える。そして。。。
つまり、ベトナム行きの二つ目の目的は、彼に社会起業家を目指してもらおう、ではなくあくまで半強制的に国境と世代を超え(cross border)させることであり、「アタリマエ」を剥ぎ取り、棲み慣れた社会の「向こう側」を体験させることだった。
実際彼は、ベトナムに降り立った直後から、タクシーとの価格交渉、呼吸するように鳴り続けるクラクション、ノブのとれたクルマのドアを体験ししばらくは文字通り目を剥いていた。
更に、このプロジェクトのプロダクトである「クリーンな炭」のユーザー訪問の為ハノイの大学の学食の調理場を訪ねた際、調理を担当する女性に「自宅ではやっぱり(クリーンな炭は高いので)一般的な炭を使っているのですか?」と訪ねたところ、「リーフ(葉っぱ)」と想像の域を超えた答えが返ってきた。
これも単なる観光ツアーだったら体験できなかったかも知れない新興国の「アタリマエ」であり、知識が経験になった瞬間だったろう。
XIPは上述した様に「国境」と「世代」を超えるプログラムであるが、今回の旅で
それに加え「自分」のボーダーを超える必要性に、息子が(少し経ってからでも)
気づいてくれれば嬉しい。
その手があったか
これまで述べたように、ソーシャルの「対象年齢」は大学生以上だった。
今回のソーシャル・男旅は、着地点は少し違うものの、中高生にもその対象年齢を拡げる一つの手法として充分意味があったこと認識させてくれた。
10歳前後くらいまでの、親が体験させてあげても「気付きづらい」年齢、
18歳前後以降の、「自ら気づいて」行動する年齢
その間の、10〜18歳位までの、親が体験の機会提供をすれば「気づける可能性のある」年齢層への一つの関わり方
今回の「いいね」は、壮大な社会実験をはじめた日銀に半信半疑ながらも期待を寄せた市場のように、私の「実験」に対して、進路やキャリアを固めはじめる年齢層の子を持つ親ごさん、もしくはその予備軍の方の「オペ」の手段として、まさ「可能性への期待」を示したものだったのではないだろうか。
ソーシャル男旅(女旅でも、異性の親子でも!)、こんな旅もいかがですか?