すみだNPO協議会の合宿でミッションを可視化新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

早いもので、NPOに専従して四年目の新年を迎えました。
今から三年前の一年目は、岩手県の大槌町にて復興支援に携わらせていただき、その中で”住民自治”の再興とその為の次代の担い手育成が自身のミッションであることを再認識し、

二年目は、自身の暮らすマチ、墨田区でその実践としての市民大学「マチナカデミアすみだ」の立ち上げ、小中学生への対話型ワークショップの実施、

三年目は、中央ろうきんさんの助成金を活用させて頂いての多世代でのフューチャーセッション&プロセスラーニング的取組である「すみだ学習するマチプロジェクト」を主催してきました。
振り返ると課題のほうが多いですが、「社会に対する直接的な入力」、そしてそれを伝えていくことの意味や価値を主体者として体験できた三年間でした。

2015年、NPOとしてやっていくこと

そして、本格稼働四年目を迎えた今年、特に以下の三つの活動にリソースを投入をします。

1.「すみだ学習するマチプロジェクト」の継続・発展
”動機ある若者”を地域で育む手段としての本プログラムをブラッシュアップさせるとともに、教育機関等でも実施します。
また、このプログラムに「参加したい!参加させたい!」と考えていただける方を掘り起こす為のウォーミングアップ的装置も組み込んでいきます。

2.「新しい働き方」と「新しい暮らし方」の提案
モノ的豊かさ、そして、隷属・貧困・戦争からの脱却という共通目標を達成し、次なる目標を設定できないまま働き方だけが旧来のそれを引き継いでいるというねじれの構造を解きほぐすため、
ムラ、国、会社に捧げてきた来た旧来の働き方と非連続な、新しい働き方・暮らし方を提案します。

3.「テンポラリー区民」への地域の魅力発信と住民自治への参画支援
墨田区は過去二年間で6,000人近い人口が増えていますが、その実に4分の1が「大学入学による転入(上京)」もしくは「就職による転入(上京)」と考えられる人々です。それは「結婚による転入」とみられる人々の3倍近い数字です。 ※1
そしてこの世代は行政がコンタクトを取りづらい世代です。この世代にすみだの魅力を確実に届け、住民自治の主体者として参画してもらうことで、ひいては墨田区のパーマネント区民として、もしくはUターン後の地域の担い手としての基礎体力をつけてもらうための側方支援的な事業を行っていきます。
※1 http://www.city.sumida.lg.jp/sumida_info/population/ から集計

それぞれの活動はおいおい、このページやfacebookなどでも発信していきます。

個人としてやっていくこと

今年は、上に掲げた活動の実践者として、以下の3点に取り組みます。

1.”意識”という上部構造を変えるために、”生活”という下部構造を変えます
上で「新しい働き方」と「新しい暮らし方」の提案と書きましたが、その為の「意識(≒概念・ビジョン)」を固めるより先に、「生活」を少しづつ変えていきます。
(改めて)「家族」を判断軸の最優先事項として「丁寧な生活」を送ります。
よく食べ、よく眠り、よく笑いあえるために出来る事を一つづつ実践していきます。

2.「新しい争点」を提起します
その上で、「これまでとは非連続な新しい社会とは何か?」、そしてそこでの「市民の有り様とは?」を争点とし問いかけ続け、次の「理想(≒目標)」とは何かを皆さんと一緒に思考し続けます。

3.船乗りを増やします
「ボランティア活動・地域活動」は住民自治・シチズンシップ醸成の礎です。ここでの体験や関係性がまさに上部構造としての意識を変容させていく足がかりとなるはずです。
新しい働き方や暮らし方を実践する船乗りを増やしていくためにも、より積極的に、私達の活動への参画を呼びかけ、その人なりの気づきや変容のきっかけを設けていきます。
実は、この3年は敢えて「計画を持たずに」活動してきました。
目標や計画を定めることが、活動や関係性、そしてそして創造性を規定してしまうと経験則的に感じていたからです。
もう少し言えば、「今の自分が想像できる一年後の事業や自分」に規定されてしまうことのリスクの方が大きいと考えたからです。

今年は、これまでどおりセレンディピティ、計画的偶発性を大切にしながらも「五年先」を一つのマイルストンとした計画も練り上げていくつもりです。その為にも引き続き皆様からのご指導・ご鞭撻を賜りたいと存じますので、何卒よろしくお願いします。
また、末筆となりましたが皆様のご健康とご多幸を心より祈念しております。

*尚、本文章作成にあたっては岡本全勝氏の「新地方自治入門」を大いに参考にさせて頂きました