【事例紹介】一般社団法人 日本QA研究会さまでの「傾聴力・質問力」の講演

去る2019年3月27日、製薬企業のQA(Quality Assurance 信頼性保証)部門で構成される、一般社団法人 日本QA研究会 さんの招聘により、「傾聴力・質問力」の講演を行ってきました。

企業内で薬効の信頼性保証の検査をする側、される側の関係性の質を高め、検査の精度や有効性を高めたいという意図でのご依頼でした。

「講演」と書きましたが、実際は多くの演習を取り入れたワークショップ形式にさせていただきました。もともとの依頼は確かに「講演」ではあったのですが、やはり「傾聴力・質問力」という内容で、座学というよりは、ロールプレイで演習を行ったもらったほうが多くのアウェアネスが得られます。

参加者は30名程度で過去に何度か顔を合わせた方もいれば、今回初参加という方も何人かいらっしゃるということだったので、出来る限りこれまであまりコミュニケーションをとる機会の取れなかった方同士で4名のグループを作っていただき、「話し手」「聞き手」役に別れ複数回の演習を行うという設計をしました。

まず、「お互いを知っている度」をテーブルごとに確認します。
「せーの!」の掛け声と同時に、画像のワークシートに、皆さんそれぞれの主観で0-100までの間でどの程度かを指し示してもらいます。

0-100の間で参加者の今の状態を知ることが出来ます

概ね、30-40くらいでしょうか。

そこからまず、「自己紹介」をする前に、あるお題についてグループの中で一人づつ話してもらう、ということをします。

そして!
それが終わった後おもむろに、
「話を聴けた度」「話を聴いてもらえた度」を先程のワークシートを用いて
示してもらいます。
面白いことに、「話を聴けた度」と「話を聴いてもらえた度」が一致しません。
(これは、どの様な組織でやらせてもらっても同様の結果が出ます)

当然いろいろな要因がありますが、やはり大きい要因の一つが、
「関係性が構築できていないこと」です。

ようやくここでプライベート面も含めた自己紹介を行います。
先程までの硬い様子とは違い、あちこちのテーブルから笑いが起きます。

ここから「傾聴」「質問」に入っていく・・・・のではなく、とても大切なことを
お伝えしました。
それは、「対話的コミュニケーション」についてです。

私達が考える対話的コミュニケーションとはこのようなものです。

・お互いの意見や考えの違いを認め、尊重し、相互理解に至る
・場合によっては、「第3の考え」が産まれる
・話の主体は「私達」(win-win)

「対話的コミュニケーション」とは?

あくまで、この対話的コミュニケーションを目指すことが目的であり、
「傾聴」「質問」はの土台であり、手段でしか無いということを確認し、
それぞれのセッションを行いました。

すべてのセッション終了後、もう一度「お互いを知っている度」を
冒頭と同様に指し示してもらうと、面白いことが起きました。
もちろん、上がったグループもありますが、いくつかのグループの値が
「下がって」いたのです。

下がったグループの方に話を聞いてみると、
「知っているつもりだったが、今日これだけ話してみると、
『知らないということ』を知り、もっと知りたいと思ったから」
とのことでした。

人は「知っているつもり」もしくは「わかっているつもり」になってしまうことが
多々あります。
今回の”企業内で薬効の信頼性保証の検査をする側、される側の関係性の質を高め、検査の精度や有効性を高めたい”という意図に照らしてみると、
どこまで謙虚に相手や相手の立場やお来れた状況を
「知らないかもしれない」「わかっていないかもしれない」と
自分に問いかけ続けることがコミュニケーションには欠かせないのだと思います。


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